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治験、臨床試験のモニターのためのモニタリングのコツ

更新日:2007/03/19

治験を推進する方法(モニタリングのコツ

ここでは僕が以前作成した「モニターのためのモニタリングのコツ」から転載をしています。

下記も参考にしてください。

ホーライのモニター研修(モニタリング編)
モニタリングとは?モニターに必要なスキルは?
モニタリングのコツと言っても、その幅は広い。
日本では、治験の依頼、契約手続きもモニターがやっている。
それを考えると、医療機関や治験責任医師の調査、選定もモニタリングと言っていいだろう。

そして、最も大切なことは、モニターが治験をコントロールできるかどうかだ。
その中には、CRCや治験責任医師、薬剤部、治験事務局等との折衝能力も必要だ。
また、SDVにおいては、当然ながらカルテ用語や担当の疾患領域の知識も必要になってくる。

さらに言うまでもないが、GCPもきちんと覚えて頂く必要がある。

これから先、この広範囲な能力を要するモニターのために、モニタリングのコツを考えていきたい。


ここで考えること。今後の予定。
基本的なモニターの仕事と注意点は「モニターへの道」で示した。
(モニターへの道=http://www.geocities.jp/monitor_cra/)

ここでは、それらをもう少し深く掘り下げて考えていきたい。

例えば、「モニターへの道」では、単に「プロトコル」をよく読みましょう、としか書いてない。

今回は、では、どこをどのように読んだら、プロトコル逸脱を防げるか、SDVの時には、どこを注意したらいいか、医師へ説明する時には、プロトコルのどこを十分説明するとプロトコル逸脱を防げるか・・・・・・等というような点について考えていきたい。

この先の予定だが、治験の流れの順番に考えていく予定。ただし予定は未定なので、時々、別の方向にいくこともあり。

この日記である程度まとまったら、随時、読みやすく(プリントアウトしやすく)なるように、別のページに「ポイントのまとめ」としてアップしていきます。

では、最初に「医療機関、治験責任医師の調査・選定」について、次回から考えていきたい。


治験実施医療機関、治験責任医師の調査・選定のコツ
まず、今やCRCの存在は欠かせない。
もし、どうしても、治験に参加して欲しい治験責任医師がいるのに、CRCがいないようなら、CRCを派遣する会社を紹介してでも、CRCの方に参加してもらおう。

治験の質、スピードとも、CRCがいるかどうかで格段に違う。(もちろん、CRCの質に左右される。)

最近は、治験に理解の有る医師や、治験に積極的な医療機関も有るので、そういう医師や施設を探し出すのもいい。
かつてのように、営業を睨んだ上の医療機関の選定なんてのを、まだやっているようでは先が思いやられる。

そして、そのような医師や医療機関を探し出すには、独自のネットワークを自分で持つといい。
MRや、時には別の会社のモニターとの情報交換も役に立つぞ。
また、社内でそのような情報をデータベース化して、共有化するのも欠かせない。

・・・・・・ということで、まずはCRCがいるかどうか、そしていない場合は派遣のCRCを採用するかどうかをチェックすること。

これが、施設や治験責任医師を選定する時のコツだ。


■さらなる治験実施医療機関、治験責任医師の調査・選定のコツ
最近は、各地でネットワークが誕生しつつ有る。
きっと、まだ円滑にネットワークが有効活用されているところは、そう多くは無いと思う。
また、各ネットワーク独自の路線が出ており、それにとまどっているモニターや治験依頼者も多いことだろう。
しかし、今のうちから、このネットワークを有効に活用するノウハウを蓄積するといい。

今はまだ不満が多いかもしれないが、そのうちに、ネットワークの力が大きくなる時が、きっと来る。
そうなってからでは、もう遅い。
他社に先駆けて、そのようなネットワークをデータベースに蓄積すること。

各地にできたネットワークが、そのうち、お互いに連携しあうような時代も来るだろう。

日本医師会が事務局をやっている大規模治験ネットワークが、そのモデル事業的な役割を果たしているが、治験依頼者も、積極的に応援すべきだ。

何故なら、そのようなネットワークが円滑に有効に運営されたら、最も恩恵を受けるのは、治験依頼者なのだから。


■モニターの心構え
まずは、しっかりとGCPを覚えておこう。
これだけでも、心強い。

例えば、治験事務局で、ちょっとした質問を受けた時に、即座にそれはGCPでは、これこれこうなっています、と答えることができると、堂々としていい。
逆に、GCPをしっかり覚えていないと、おどおど、びくびくして、心に余裕が無くなってしまう。
備え有れば憂い無しだ。

もちろん、これはプロトコルでも一緒だ。
治験責任医師はもちろんのこと、治験事務局や、IRB、はたまた治験薬管理者から質問されたり、ヒアリングを受けた時に、プロトコルや治験薬概要書の全て(とまで言わないが、せめて重要なポイントは)覚えておけば、どんなもんでも、どんと来い! と、自信を持って、モニタリングできる。


■信頼関係
モニターは医療従事者と信頼関係をまず築こう。
(もちろん、社内でも。)

治験実施医療機関のCRCや治験責任医師、治験分担医師などと信頼関係(せめて友好関係)を築いているかどうかで、モニタリングの快適度が、全然違う。

じゃ、信頼関係(友好関係)を築くにはどうしたらいいのか?
それは、真摯な態度、だ。

何か約束したら、必ず守る。
依頼事項が有ったら、すぐさま対応する。

お互いに尊重しあう。

そんな態度が必要なのだが、これは常日頃から、社内でも同じ様に振舞うこと。

これは言うまでも無く、人間としての基本だが。


■モニターの心構え(担当領域の専門知識)
担当することになったプロトコルを見ても、最初はなんのこっちゃ?だろう。
それに、これから会いに行く先生は、その領域の専門家だ。

こちらも、もちろん、そういう先生やCRCと対等に会話できるレベルの専門知識を持とう。

そのためには、学会に出る、文献を読む、総説を読む、教科書を読む・・・これくらいは常識的にやってほしい。

できるモニターは、なかなか学会に出られない地方の医師や小規模病院の先生に最先端の情報を提供してあげよう、と言うぐらいの意気込みで学会に出ること。

そして、きちんとレポートにまとめることだ。


■要約してから行く
基本的に医師は忙しい。もちろんCRCも忙しい。社内の上司も忙しい。(暇なのはデーモン部長くらいだ)

モニタリングに行く時は、「最低限、これだけは確認する」というものを要約してから行くこと。
相手の都合にもよるが、本当に2,3分しか時間が無いこもある。
そんな時にでも「これはあれでいいですね?」「おお、いいぞ」という感じになるように、ポイントを決めてからモニタリングに行くべし。


■問題を要約する・把握する
前回の日記に問題点を要約していくこと、と書いたが、そうするためには、まず、問題そのものをきちんと把握する必要がある。

モニタリングをやっていると、様々な問題にぶちあたる。
この時に、どんなことが問題なのか、をまずきちんと把握すること。
そして、その問題を言葉に言い表せるようにすること。

これだけで、問題解決の50%は完了だ。
あとは、その問題の真の理由を見つけ、それに対する根治療法的解決方法を考える。

対象療法では、また問題が繰り返し発生する。
表面的な問題という事象に対して、本当の原因は何か?を考えることは、なにもモニタリングに限ったことではなく、人生そのものに発生する問題点解決にも役立つ。
もちろん、社内で発生した問題解決にも役立つ。

そのためにも、まずはモニタリング中に発見した問題点を把握し、真の解決方法を見つけ、それを要約しておく、という習慣を身につけるといい。


■問題の原因究明方法
これまたモニタリングに限った話ではなく、ビジネス、人生全般に言えるのだけれど、問題の原因を究明するためには「何故?」を5回は繰り返すといい。

たとえば、僕がモニターの教育担当者の立場で、成功した事例を書く。

ある会社で、立て続けに「治験届」の報告が大幅に遅れるという事態が発生した。
治験の変更届には「事前届け」と「事後でもいいが、6ヶ月以内をめどに出す事項」がある。

で、そこの会社では、立て続けに事後報告が大幅に遅れたのだ。
それに対して、組織が取った対応はQCチェックを大幅に強化するとか、パソコン上のモニタリングシステムでチェックをかけるとか、そいう対応だった。

しかし、そうだろうか?

僕は、何故、変更届が遅れるのか、を自分に問いかけたり、モニターに問い掛け続けた。
そして、真の理由はモニターが「治験の変更届けの対象になる事項」を知らなかったから、という単純なところに有ることを発見した。

そこで、僕は1〜2ヶ月間、治験の変更届の対象となる事項を「事前」と「事後でもいいが6ヶ月以内」とに分けてモニターに徹底的に覚えてもらった。手を変え品を変えてね。

それ以降、治験届が遅れることは無くなった。

対症療法ではなく、根治療法を考えないと意味無い、ということをしみじみ感じた。


■モニタリングの基本

まずは、とにかく徹底的にプロトコルを読むことから始まる。

医師から、何か質問されたら、それは何ページのどこどこに有りますと、即座に答えられるようにしておく。

そのためには、チームでプロトコル説明会の練習をするといい。

きっと、リーダーが意地の悪い質問をしてくれると思うよ。
(それだけ、リーダーはプロトコルを隅から隅まで、暗記するくらい、読んでおくこと。)



■目標となる先輩モニターを探せ!

何事をやるにしても、目標が有るかどうかで、物事、大きく違ってくる。

モニターに関してもそうだ。

目標となるモニターが近くにいないかどうかを探してみよう。

もし、近場にいなかったら、他社のモニターでもいいし、共同開発先でもいいぞ。

そして、その目標となるべき先輩から、技を盗むこと。

まずは、「まねる」ところから始めよう。




■モニタリングの事前準備

出張の前に、今日の訪問のポイントをもう一度、確認しておこう。

今日は、何しにいくのか?
今日は、どこまでやったら目標達成なのか?

質問すべき項目は何か?
どんな情報を与えることができて、どんな情報を入手してくるのか?

一つ、一つの仕事には、必ず「目的」が有るはずだ。

その目的をしっかりと確認してから、モニタリングに行こう!



■モニタリング報告書の準備

できたら出張の帰りにモニタリング報告書を書いたらいいのだが、今はPC上で書く方法が多いから、それもちょっと大変。
でも、可能なら、PC上で書いておこう。

もし、いわゆるモニタリング管理システムにログインできなくてもいいから、メモ帳ベースでポイントだけでも書いておくと、会社に帰ってきてから楽だぞ。

PCを持ち歩かないのなら、それ専用の手帳を作るといい。

とにかく記憶が新鮮なうちに記録するのが鉄則だ。



■アポがなかなか取れない場合

電話ではなかなかアポがとれないことがる。
電話では埒があかない場合、どうするか?

これはもう、とりあえず、訪問するしかない。
そして、秘書さんやCRCさん等から、先生の比較的時間が空いている日にちや時間帯を教えてもらう。

その時に、秘書さんやCRCさんを通じてアポを入れてもらえれば最高だ。

それができない場合は、待ち伏せる。

あるいは、外来がある日は、その外来が始まる前の時間に待ち伏せる。

ただし、そういうことを許してくれるかどうかは、自分で判断すること。
下手すると、出入り禁止じゃ〜〜!となる。

そんな場合は、許してもらえるまで、待ち伏せ作戦をする。
あるいは、ちょっと時間をおいて、上司から電話でお詫び方々訪問したい旨を伝え、アポを取る。

・・・・・・これ位の熱意を持ってモニタリングをやろう!



■秘書さんやCRCさんと仲良くなろう!

もちろん、誰とでもフレンドリーにやるのだが、ときにはそれを「形」にして表そう。

ちょっとした手土産でもいいし、ケーキでもいい。
先日、福岡に出張に行ったので・・・なんていいながら、さりげなく札幌の病院のCRCさんに博多名物●●●です、なんてね。

ドクターには最新の専門領域の情報をプレゼントするといい。



さりげなく周囲を観察する

まず、ドクターやCRCに会いに行ったら、さりげなく、ドクターの勤務予定表や周囲の壁に張ってあるポスター、ロッカーの中にある資料集などを観察しておこう。

まず、ドクターの外来来診の日は当然、メモしておく。
この外来日の朝一に治験の登録をお願いするとか、前日の夕方にお願いする、ということに役立つ。
また、外来の始まる直前や終わった直後を狙って、ノーアポで話をすることも考える。

ほかにどんな先生がいるかもできたら、把握しておく。
この病院はどこの系列か?どこの病院と提携しているのか?を知っておく。
のちのち、治験実施施設の追加の時に参考になる。

また、壁に貼ってあるポスターの中に他社の治験に関するものがあるかもしれない。
さらに、キャビネットの中にある資料の背表紙をみて、他社の治験をやっていることがわかることもある。
もちろん、そのドクターがどの分野に特に関心があるのかが分かる。
そのような関心の強い分野の情報をせっせと集め、ドクターとの会話に盛り込むのだ。

いずれにしても、せっかく遠くまで出張して行く病院なのだから、ボーと待っているだけでなく、いろんな情報を探るようにしよう!




■真摯な態度を取る

当たり前だが、誰に対しても真摯な態度を取ること。
それが信頼関係構築への第一歩だ。

自分がどんな人なら信頼がおけるかを考えてみるといい。

一度築き上げた信頼関係は、長く続く。
その信頼関係という単純な関係こそが、モニターの基本だ。

ドクターやCRCと信頼関係を築くということは、間接的に、治験参加者さんとも信頼関係を築くということに繋がる。








下記も参考にしてください。

ホーライのモニター研修(モニタリング編)

治験を推進する方法(その1)はこちら


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